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2009年3月6日

JE T'AIME



<今日の1曲>
ジュテーム

by 坪倉唯子  詞:大津あきら  曲:織田哲郎  編曲:池田大介
('93年1月にシングルリリース、 '93年4月リリースのアルバム 「ジュテーム」 にタイトルソングとして収録)


 この 「ジュテーム」 は、'93年に放映されたの日テレ木曜のシリアスドラマ 「ジェラシー」 (黒木瞳主演) のエンディングテーマとしてヒット。

 歌い手である坪倉唯子は、B.B.クイーンズの女性ボーカルとして知られています。そのB.B.クイーンズでは、敢えてキーを高めにしてコミカルさを演出していましたが、彼女の本領は、やはりスローなオトナのラブソングでしょう。そんな彼女は、絶賛したいほど、本当に歌が上手い。
 現在まで、数多くの著名アーティストのバックコーラスにも参加しており、隠れた名シンガーの一人です。
 

 彼女の歌の魅力は、なんといっても、微妙にハスキーで艶のある太目の中低域の声にあります。
 特に、この 「ジュテーム」 での歌い出しの1小節目、2小節目の母音「o」の歌唱は、ゾクゾクと身震いがするほどの妖艶さを持っています。この妖艶さを表現できるボーカリストは彼女をおいては、他に見当たらないといっても過言ではありません。

 「ジュテーム(アルバム)」 以外のアルバムにはポップな曲調のものもありますが、それらの多くは彼女の持ち前の声質には合わずボーカルが細身に聴こえてしまい、本来の魅力が引き出せていないように感じます。
 やはり彼女の場合は、バックを控えめにボーカルを浮き立たせ、ミディアムスローの切ない曲調でこそ、その妖艶さが発揮されるのだと思います。このアルバム 「ジュテーム」 は、敢えてアップテンポの曲を排しており、全体として「切なさ」がうまく表現された統一感のある良い作品に仕上がっています。
 そんな妖艶さをもつ彼女こそ、もっともっと売れてもよかった歌い手の一人でしょう。

 ちなみに、1枚のアルバムにカタログ的にあれもこれもと詰め込むよりも、こういったアルバム全体にテーマ性を持たせる方が、気分に合わせてアルバムを聴くリスナーにとっては良い作り方に感じます。





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