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2009年3月14日

「笙」の一曲



<今日の1曲> 一風変わって雅楽などいかが?
曹娘褌脱

by 宮田まゆみ    
('86年9月リリースのアルバム 「星の輪」 に収録された雅楽の伝統曲です)


 この 「曹娘褌脱(そうろうこだつ)」 は、奏者宮田まゆみによる、和楽器 「笙」 を中心とした雅楽の合奏曲です。他の雅楽の曲にはあまりみられない、わかりやすい旋律でリズム感があり、聴いていて非常に親しみやすい曲目です。そのまま、上手く歌詞を付けていったら歌が唄えてしまえそうに思います。

 しんと鎮まりかえった静けさの中で聴いていると、日本古来の和の様式美を思わせる幻想的な風景が思い浮かんできます。一切の邪念や思い込みを捨て、曲に浸りきってみると、いいリフレッシュになるかもしれません。

 とはいえ、曲調や演奏は雅楽そのものなので変な期待は無用です。
 タイトルの 「曹娘褌脱」 の意味するところは、実は調べてもよくわからいない、というか、全くわかりませんでしたが、まあそんな周辺知識がなくとも、聴いていて心地よい楽曲なので、それでよしとしましょう!

 演奏は10分間に及びますが、一つ一つの小節での演奏が微妙に違うので、その面白さにハマって聞いているととても短く感じられます。4分50秒あたりからの 「第二楽章?」 からは、それまでのゆっくり流れていたリズムと変わって少しテンポが早くなりますが、このあたりは何かしらの物語が背景にあるのでしょう。いろいろと想像を巡らせながら聴くのもいいものです。笙のソロによる落ち着いた始まりと、小鐘の余韻が消えていく静かな終わりが、日本古来の枯淡な 「美」 を思わせます。

 オーディオ的には、笙の持つ倍音の伸びがとても綺麗なので、環境雑音の少ないところで腰を落ち着けて聴きたいところです。


 なお、奏者の宮田まゆみさんについては、こんな方です。
bits Special Interview
国立音大 カリヨン広場
※シンガーソングライターの宮田まゆみさんとは同姓同名の別人ですのであしからず。


現時点では、このアルバムは絶版で入手困難なようです。




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